フィールズ株式会社
Believe in the Future
株式会社 アニュアルレポート年月日∼年月日
アニュアルレポート 2011
COVER STORY
私たちフィールズグループは、東日本大震災発生後直ちに(株)円谷プロ ダクション並 び に賛 同 企 業 グル ー プ 各 社 が 一 丸となっ て「 ウルトラマン 基 金 」を設立しました 。
そして、被災された皆様 、とりわけ新しい未来を切り開くかけがえのない 希 望 の 光 で ある子 供たちに心 からの エ ー ルを贈るた め 、地 球と人 類 の 平 和を守る象徴である「ウルトラマン」にすべての思いを託し、将来にわた る永続的な支援活動を開始しました 。
本アニュアルレポートでは、業績の動向や経営戦略に加えて、このような 復興支援をはじめとした社会的取り組みもご紹介しています。株主・投資 家の皆様におかれましては、私たちのこうした取り組みの趣旨をご理解の上、 引き続きご支援賜りますよう、お願い申し上げます 。
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
見通しに関する注意事項
本冊子の記載内容の計画及び業績予測は現在活用できる情報を基礎としており、潜在的なリスクや不確実 性を含んでいます。したがって、予測の基礎とした様々な要因の変化により、実際の事業内容や業績が記述 の予測とは大きく異なる結果となる可能性が あることをご承知おき下さい 。
なお、本冊子に記載されている商品・サービス名は、各社の商標または登録商標となります。
マネジメントより投資家の皆様へ 02
連結財務ハイライト 02
会長メッセージ 04
トップインタビュー 06
特集:東日本大震災の影響と復興 14
被災状況 15
震災後の業界の歩み ∼パチンコ・パチスロ業界は社会に貢献する∼ 16
復興支援 18
営業概況 20
AT A GLANCE 20
パチンコ・パチスロ事業 21
グループ事業 24
マーケットデータ 27
社会的責任を果たすために 28
CSR(企業の社会的責任) 28
コーポレート・ガバナンス 32
財務セクション 37
経営陣による財務状況及び経営成績の分析 38
連結貸借対照表 46
連結損益計算書 48
連結包括利益計算書 49
連結株主資本等変動計算書 50
連結キャッシュ・フロー計算書 51
連結財務諸表注記 52
独立監査人の監査報告書 65
企業データ 66
会社概要 66
株式情報 68
IRインフォメーション 69
目次
Page 14
特集:東日本大震災の影響と復興
2011年3月11日、東日本一帯をマグニチュード9.0の地震が襲った。
被災地の死者・行方不明者は2万人を超え、併発した国内最大規模の原発事故は電力不足をもたらした。 パチンコホールも被災した。遊技機関連の電子部品工場が操業を止めた。
しかし、私たちは明日を信じてすべての力を復興に向けた。
り投資家の皆様へ特集:東日本大震災の影響と復興営業概況社会的責任を果たすために財務セクション企業データ
連結財務ハイライト
2007年3月期 2008年3月期 2009年3月期 2010年3月期 2011年3月期
経営成績(百万円):
売上高 ¥ 85,321 ¥101,818 ¥ 73,035 ¥ 66,342 ¥103,593 売上総利益 29,248 34,544 24,024 26,889 35,129
売上総利益率(%) 34.3 33.9 32.9 40.5 33.9
営業利益 8,944 13,158 1,960 8,124 13,136
売上高営業利益率(%) 10.5 12.9 2.7 12.2 12.7
当期純利益(損失) 3,710 5,296 (1,481) 3,289 7,520
売上高当期純利益率(%) 4.3 5.2 — 5.0 7.3
財政状況(百万円):
総資産 66,081 69,168 52,064 81,329 78,971
純資産 42,836 46,331 39,496 41,187 47,021
自己資本 41,115 44,485 39,463 41,064 46,779
キャッシュ・フロー(百万円):( )はマイナス
営業活動によるキャッシュ・フロー 5,293 11,127 4,147 8,429 8,005 投資活動によるキャッシュ・フロー (4,772) (14,604) (6,182) (1,011) (4,356) 財務活動によるキャッシュ・フロー 1,488 (1,384) 602 (2,687) (3,915) 1株当たりデータ(円):
当期純利益(損失) ¥ 10,692 ¥ 15,263 ¥ (4,271) ¥ 9,796 ¥ 22,643 純資産 118,487 128,201 117,326 123,645 140,853
配当金 4,000 4,500 4,500 4,500 5,000
主要経営指標(%):
自己資本当期純利益率(損失率) 9.2 12.4 (3.5) 8.2 17.1
総資産経常利益率 12.0 17.3 1.6 11.6 17.1
自己資本比率 62.2 64.3 75.8 50.5 59.2
配当性向 37.4 29.5 — 45.9 22.1
2007年3月期 2008年3月期 2009年3月期 2010年3月期 2011年3月期
遊技機販売台数実績(台):
パチンコ・パチスロ遊技機の販売台数 511,247 484,534 331,205 449,880 480,273 パチンコ・パチスロ別
パチンコ遊技機 345,823 273,981 202,525 330,734 262,614 パチスロ遊技機 165,424 210,553 128,680 119,146 217,659 提携先別
サミーグループ 79,711 127,670 41,536 28,762 121,691 SANKYOグループ 366,619 329,965 262,087 363,056 306,585
オリンピア 44,929 8,313 447 4,908 —
エンターライズ — — — 2,498 16,119
その他メーカー 19,988 18,586 27,135 50,656 35,878
02
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
0 20,000
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 40,000
60,000 80,000 100,000 120,000
85,321 101,818
73,035 66,342
103,593
0 2,000
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 4,000
6,000 8,000 10,000 12,000
5,293 11,127
4,147 8,429
8,005
–16,000 –12,000
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 –8,000
–4,000 0
(4,772)
(14,604) (6,182)
(1,011)
(4,356) 0 07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 3,000
6,000 9,000 12,000 15,000
8,944 10.5
13,158 12.9
1,960 2.7
8,124 12.2
13,136 12.7
0 6
3 9 12 15
0 07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 10,000
20,000 30,000 40,000 50,000
41,115
62.2 44,485
64.3 39,463
75.8 41,064
50.5 46,779
59.2
0 40
20 60 80 100
0 07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 1,000
2,000 3,000 4,000 5,000
4,000
37.4 4,500
29.5
4,500 4,500
45.9 5,000
22.1
0 40
20 60 80 100
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 0
6,000
4,000
2,000
–2,000 8,000
3,710
4.3 5,296
5.2
(1,481) 3,289
5.0 7,520
7.3
0 10 15
5 20
–5 0
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 5
10 15 20
12.0
9.2 12.4
(3.5)
8.2 17.3
1.6 11.6
17.1 17.1 –5,000
–2,500
07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 0
2,500 1,488
(1,384) 602
(2,687)
(3,915)
(%)
売上高 当期純利益(損失)/
売上高当期純利益率
営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー
営業利益/ 売上高営業利益率
自己資本当期純利益率(損失率)/ 総資産経常利益率
1株当たり配当金/ 自己資本/ 配当性向
自己資本比率
(百万円) (%) (百万円)
(百万円)
(百万円) (%) (円) (%)
(百万円) (百万円)
(百万円) (%)
売上高
営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー
当期純利益(損失) (左軸) 売上高当期純利益率(右軸) 営業利益(左軸)
売上高営業利益率(右軸)
自己資本(左軸) 自己資本比率(右軸)
1株当たり配当金(左軸)
配当性向(右軸) 自己資本当期純利益率(損失率)
総資産経常利益率
当期純利益
128.6
%UP売上高
56.2
%UP営業利益
61.7
%UPり投資家の皆様へ
代表取締役会長(CEO) 山 本 英 俊
会長メッセージ
このたびの東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い心 身とものご回復と地域のご復興をお祈り申し上げます。
当社グループは、復興支援に最大限協力すべく思慮を重ねてまいりましたが、とりわけ新しい未来を切 り開く子供たちへの支援活動を永続的に展開していくことがきわめて重要と考え、グループ全体が一丸と なって「ウルトラマン基金」に思いを託し、被災者の方々の傷つかれた精神をケアすることを含めた物心両 面からのご支援を粘り強く継続的に実施していくことをお約束いたします。
すべての人に最高の余暇を
THE GREATEST LEISURE FOR ALL PEOPLE
04
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
すべての人に最高の余暇を
我が国の産業は、かねてより世の中の人々の思いに応えることで、大きな利益機会と成長活力を創出し てきました。なかでも、国民に豊かさをもたらした貿易産業や世界に類例のない長寿社会を実現した医療 産業、また、人々 の自由な時間を創出したテクノロジーの進化などは21世紀の成熟化する社会の礎とな り、人々は増加をたどる余暇時間に多様な時間消費のニーズを生み出すこととなりました。
「すべての人に最高の余暇を」という企業理念を掲げる当社及び当社グループは、増加する余暇時間に エンタテインメント性の高い商品やサービスを提供するとともに、未来の人々 の心を豊かにする余暇の あり方について調査・研究を重ねてきました。そして、2003年の株式上場時には将来的な成長を牽引する コンテンツを中核としたビジネススキームを掲げました。そこから優良IP(知的財産)の取得・保有・創出や、 最先端のクリエイティブ&テクノロジーの融合・複合を重ねることで、このコアモデルは進化を遂げながら 力強く生き続けています。
2011年3月期は、(株)円谷プロダクションなどの専門分野に秀でた企業を当社グループに迎え入れ、 有力パートナー企業との連携もより一層強化することで 、スキームの深化・確立を実現しました。また、 コンテンツの多元展開先としてパチンコ・パチスロ分野のみならず、モバイル、オンラインサービス分野の 強化・拡充を推進し、各分野においても着実な成果が現われつつあります。そして、このような将来に 向けた諸施策が世の中の人々の思いと響き合うとき、当社グループに新たな収益機会と企業価値の向上が 訪れると確信しています。
私たちフィールズグループは、これからも多様な価値観を有する多くの人々に新鮮な感動や驚きを体験 できるエンタテインメントを創造してまいります。同時に、事業そのものが社会全体の幸せに寄与し、皆様 からの信頼に応えられるよう全社一丸となってまい進していきます。
これまでも企業理念にご賛同賜りお力添え頂きました皆様に深謝いたしますとともに、当社及び当社 グループが切り開く未来にご期待頂き、引き続きご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。 2011年9月
り投資家の皆様へ
トップインタビュー
大屋 高志
代表取締役社長(COO)
P06–09
q エンタテインメントの位置づけ q 2011年3月期の業績
q パチンコ・パチスロ市場の概況と パチンコ・パチスロ事業の成果 q 東日本大震災の影響 q パチンコ・パチスロ事業の強み
P10–12
q 国内のエンタテインメント市場の展望 q グループ事業の成果
q グループ事業の今後の方向性
P13
q 2012年3月期の取り組みと業績の見通し q 株主、投資家の皆様へ
06
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
当社グループの目指すところは、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念の実 現です。この力強いビジョンのもと幅広いエンタテインメント領域で事業を展開してい る私たちにとって、2011年3月11日に東日本一帯で発生した大規模な震災は、事業 活動の根幹を見つめ直す契機となりました。被災地域では、国内外の企業や個人の 方々が復旧・復興支援に尽力しておりますが、当社グループも震災直後に「ウルトラマ ン基金」を創設して、未来を担う子供たちを支援する活動に乗り出しました。具体的に は、炊き出しや寄付金の贈呈、ウルトラヒーローショーを各地で開催するなど物心両面 からの支援を実施しています。子供たちを勇気づけるために開催したショーでは、元 気で力強い子供たちの声を頂いたことで、あらためて私たちもウルトラマンという大 きな力を体感し、多くの人々がウルトラマンのようなコンテンツやエンタテインメントか ら勇気と希望を得て未来への歩みを進めていることを肌で感じることができました。 また、エンタテインメント市場において、常に射幸性の是非に関する議論が絶えない パチンコ・パチスロも、被災地域では人々の心を癒す大衆娯楽の一つとして受け入れ られ、パチンコホールも地域のコミュニティの場として広く活用されていました。当社 グループはかねてよりパチンコ・パチスロの健全化に資する取り組みを推進してきま したが 、被災地域で再認識したパチンコ・パチスロのあるべき姿を全国に発信するた めにも、様々な施策に挑戦したいと気持ちを新たにしています。
エンタテインメントとは、多くの人々の豊かさや幸せに資するものです。私たちは、 パチンコ・パチスロをはじめ、モバイル、映画、出版、アニメ、スポーツなどの幅広い領 域で事業を展開していますが、そのすべてで価値あるエンタテインメントを創出してい きたいと考えています。株主や投資家の皆様をはじめ、私たちを取り巻くすべてのス テークホルダーの皆様におかれましては、是非とも当社グループの取り組みにご理解 とご支持を頂きたいと思います。
2011年3月期の連結業績は、売上高1,035億円(前年同期比56.2%増)、営業利益 131億円(同61.7%増)、経常利益136億円(同76.3%増)、当期純利益75億円(同 128.6%増)となり、売上高、経常利益、当期純利益は過去最高となりました。 中核事業であるパチンコ・パチスロ事業では、回復基調にあるパチスロ市場に対し てゲーム性・エンタテインメント性の高い遊技機を多数投入しました。なかでも、ゲー ムやアニメなどの優良コンテンツを用いたパチスロ遊技機「新鬼武者」や「モバスロ ヱ ヴァンゲリヲン∼真実の翼∼」は、それぞれ年間市場販売台数の約10%を占める台数 を販売し、ファンの皆様からも高い評価を頂きました。まさに、市場の動向を先読みし た事業展開によって盤石な収益基盤を築くことができたといえます。
Q : フィールズはエンタテインメントをどのように位置づけているのか?
A : 「多くの人々 の豊かさや幸せに資するもの」だと、私たちは考えて
います。
Q : 2011 年3 月期の業績をどのように評価しているのか?
A : パチンコ・パチスロ事業は安定して収益を上げており、グループ
事業も着実に成果を出しています。
り投資家の皆様へ
07/3 10.0
12.1 14.1
18.9 24.5
08/3 09/3 10/3 11/3 0
10 20 30
9.5 8.1
6.1
9.5 9.1
0 3 6 12
9
07/3 08/3 09/3 10/3 11/3
一方、グループ事業は、様々なエンタテインメント分野で事業を行うグループ各社 の業績が回復に転じ、グループ事業全体の収益も黒字となりました。また、2010年4 月にグループに迎え入れた(株)円谷プロダクションや(株)デジタル・フロンティアも事 業面にとどまらず業績面においても大きく貢献しており、グループ間のシナジー効果 もより具体的な成果となって現われ始めています。
パチスロ市場については、規則改正などの影響で数年の間減少傾向にあった設置台 数が当期より増加に転じるとともに、各遊技機メーカーがファンのニーズに対応した遊 技機を投入することで市場全体が活性化に向かって動いています。この好循環は回復 基調をいっそう強く後押しするものと見ています。パチンコ市場については、射幸性の 高い遊技機への自主規制が相次ぐと同時に、全国のパチンコホールで中古機を活用し て貸し玉料金を引き下げた営業形態(低玉貸し営業)が広がりをみせ、この影響から新 機種販売が一時的に低調に推移しました。しかし、現在では射幸性を和らげた遊技機 が市場を牽引し、健全化を図りつつこちらも回復に向かうものと考えています。 このような環境のもと当社は、射幸性に依存することなく、より創り込まれたエンタ テインメント性の高い遊技機の発売に注力しました。なかでも、パチスロ遊技機は6機 種を発売し、販売台数は過去最高の217,659台(前年同期比82.7%増)となりました。 販売台数シェア*は24.5%となり、2年連続の業界トップシェアを達成しました。また、 パチンコ遊技機は大型コンテンツを用いた「 CRヱヴァンゲリヲン∼始まりの福音∼」な ど4機種を発売しましたが 、一時的な市場の冷え込みの影響を受け総販売台数は 262,614台(同20.6%減)となりました。なお、販売台数シェア*は9.1%と前期並み の水準を維持しています。
*販売台数シェアは、当社調べです。
東北地方の被災地域では、パチンコホール約50店舗が全壊被害を被ったことに加 え、計画停電の実施などの影響により遊技機の稼動状況が一時的に悪化しました。ま た、遊技機の部材を供給する半導体などの電子部品メーカーが東北地方に多く存在し ていたため、その工場が被災したことで多くの遊技機メーカーは新機種の発売時期の 見直しを余儀なくされました。
しかし、業界全体の復旧・復興支援や節電協力などの取り組みが多くの方々に受け 入れられ、さらに「安・近・短」の余暇ニーズが高まりを見せたことから、現在のパチン コホールの稼動状況は震災以前と同等以上となっています。また、電子部品メーカー の生産再開や遊技機メーカーのサプライチェーンの見直しなどにより遊技機は安定供
(%)
(%)
パチスロ販売台数シェアの推移
パチンコ販売台数シェアの推移
パチンコホールの被災状況
被災(全壊)したパチンコホール数 52店舗(0.4%)
全壊被害 岩手県 15店舗 宮城県 25店舗 栃木県 7店舗 福島県 5店舗 全国の
パチンコホール数 12,479店舗 (2010年度)
(警察庁統計) (4月15日、全日遊連発表)
Q : パチンコ・パチスロ市場の概況と、パチンコ・パチスロ事業の成果は?
A : パチンコ・パチスロともに市場は回復傾向にあります。当社はより
創り込まれたエンタテインメント性の高い遊技機の販売に注力し、実
績を積み上げました。
Q : 東日本大震災は業界にどのような影響をもたらしたのか?
A : 大きな被害を被った東北地方では、パチンコホールや遊技機の部材
メーカーが被災しました。しかし、現在は復旧に向けて動き出して
おり、業界全体で支援にも取り組んでいます。
* 販売台数シェアは、当社調べです。
08
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
給に向かうものと見ており、今後も当社が継続的に事業の行える環境に特段の変化は ないと考えています。
当社は、遊技機メーカーとパチンコホールの間に位置する流通企業であると同時に、 マーケットを総合的に判断できるポジションを活かして膨大な市場データの定性・定 量分析を行い、その結果に基づいて遊技機の企画・開発を推進しています。このよう なファブレスメーカーとしてのビジネスモデルは他社にない独自のものであり、この モデル自体が当該事業の強みの一つです。加えて、遊技機の企画・開発では、大手 メーカーのサミー(株)、(株)SANKYO 、京楽産業.(株)と提携しており、常に市場の活 性化に寄与するゲーム性・エンタテインメント性の高い遊技機をタイムリーに投入でき る体制が整っています。
各領域の取り組みについては、流通領域では、顧客であるパチンコホールへの営業 活動にとどまらない付加価値の高い情報サービスや提案支援などに努めています。 営業社員自らも知識力・提案力の向上に努めていますが、企業としても営業施策とし て米アップル社の「 iPad」を従業員に配布し、知的情報サービスの品質向上を図るとと もに、モバイルを活用した新たな顧客支援などを行っています。
企画領域では、遊技機の演出やストーリーなどの商品企画だけでなく、新たなファ ンを創造する優良IP(知的財産)を活用したコンテンツ開発に取り組んでいます。2011 年4月には、遊技機の高付加価値化に向けてコンテンツ本部を新設し専門的かつ科学 的な研究を推進するとともに、遊技機との親和性が高い“ヒーローもの”研究などを開 始しました。これらの研究を踏まえたIPの取得・保有・創出は、グループ各社と連携す ることにより付加価値の高いコンテンツとして広く世の中に受け入れられるものと考 えています。
開発領域は、パチンコ・パチスロ向けに最適化したコンテンツを実際のプラットフォー ムに実現するために必要不可欠なフェーズと考えており、提携メーカーであるサミー
(株)、(株)SANKYO 、京楽産業.(株)との関係強化を図るとともに、自らの開発力を高 めるため2010年4月にCG(コンピュータ・グラフィックス)制作会社として国内大手の
(株)デジタル・フロンティアを、2011年1月に遊技機液晶表示用の映像ソフトウェア開 発領域で数多くの経験と実績を有する(株)マイクロキャビンを当社グループに迎えま した。
これら3つの領域での取り組みは着実に成果を出しつつあり、近い将来、パチンコ のエンタテインメント化を実現し、ファン拡大と業界の発展に大きく貢献するものと考 えています。
パチンコ・パチスロ事業の領域
事業領域 当社 提携メーカー
市場データ
収集・分析 営業本部
IP企画開発
コンテンツ 商品企画 本部
開発 開発本部 サミー(株)
(株)SANKYO 京楽産業(株). 製造・組立
販売 営業本部
提携メーカー
提携メーカー 当社販売ブランド 提携開始 サミー(株) (パチスロ)ロデオ 2000年
(株)SANKYO (パチンコ/パチスロ)ビスティ 2003年 京楽産業(株) 準備中. (パチンコ) 2008年
遊技機開発を支えるグループ会社
社名 グループ参加年
新日テクノロジー(株) 2008年
(株)F 2009年
(株)デジタル・フロンティア 2010年
(株)マイクロキャビン 2011年
Q : 安定的に収益を上げているパチンコ・パチスロ事業の強みは?
A : 当社独自のビジネスモデルが強みであり、流通・企画・開発領域そ
れぞれが着実に成長することで、他のエンタテインメントと比較して
も遜色のない遊技機を創出できると考えています。
それはすなわちパチンコのエンタテインメント化であり、目下パチ
ンコ・パチスロ事業が目指すところでもあります。
り投資家の皆様へ
繁松 徹也
専務取締役
(グループ事業管掌兼事業本部長)
P06–09
q エンタテインメントの位置づけ q 2011年3月期の業績
q パチンコ・パチスロ市場の概況と パチンコ・パチスロ事業の成果 q 東日本大震災の影響 q パチンコ・パチスロ事業の強み
P10–12
q 国内のエンタテインメント市場の展望 q グループ事業の成果
q グループ事業の今後の方向性
P13
q 2012年3月期の取り組みと業績の見通し q 株主、投資家の皆様へ
10
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
国内総生産や個人消費の伸び悩みが懸念されるなか、国内のエンタテインメント市 場では内需による飛躍的な発展は難しく、中長期的な視点からもアジア・北米といっ たグローバル市場を視野に入れなければ成長は見込めません。また、海外市場におい てはエンタテインメント分野のコングロマリット化が進んでいますが 、そう遠くない未 来に国内でも総合エンタテインメント連合が形成される可能性があると考えています。 一方、近年のエンタテインメント市場では最先端のテクノロジーを活用した新たな分 野が興隆しており、とくにモバイルメディアは、スマートフォンなどの高性能かつ多機 能なインフラが整備されたことで、今後は提供されるコンテンツそのものが試される 局面に入ると見ています。当社グループは、こうした時代の潮流を先読みし、未来の 日本型総合エンタテインメント連合の中心的な存在になるためにも、モバイル、オンラ インサービス、ゲーム、映画、出版などの幅広いエンタテインメント分野でスピード感 を持って施策を推進しています。
「挑戦が、未来を創る」というスローガンのもとで様々な挑戦を続けてきたグループ 事業において、新しいビジネスの息吹きが感じられるようになってきました。コンテン ツを収益化するメディア戦略では、従来からパチンコ・パチスロ分野への比重過多が 続いていましたが 、幅広いメディアに対しても多くの有力企業やクリエイターの方々 と協力しながら展開できる体制が整いつつあります。とくに、モバイルを含むオンライ ンサービス分野においては、パチンコ・パチスロ関連コンテンツを活用した「モバスロ」 などのサービス拡充に努めるとともに、パチンコ・パチスロ以外のコンテンツを活用し た新サービスの研究・開発及び投資を積極的に実施し、複数のサービスインによって 新規会員の獲得も順調に推移しました。
一方、コンテンツの保有・創出に向けた施策では、外部の有力企業との協力体制構 築が着実に進んでおり、2010年4月に「ウルトラマン」シリーズなどの優良IPを保有す る(株)円谷プロダクションや国内大手のCG制作会社(株)デジタル・フロンティアをグ ループに迎え入れています。また、オンラインサービス分野では、国内最大級のパソ コン向けゲームポータルサイト「ハンゲーム」を運営するNHN Japan(株)との共同出 資によりアイピー・ブロス(株)を設立しました。出版分野でも、出版業界をリードして きた小学館グループの(株)小学館クリエイティブと共同出資で(株)ヒーローズを設立 し、これまでにないコンセプトを掲げた青年向け月刊コミック誌を2011年秋に創刊す る予定です。
Q : 国内のエンタテインメント市場の展望は?
A : 国内展望としては、海外型のビジネスの波及や技術革新による発展
が見込まれますが、中長期的にはグローバル市場を視野に入れる必
要があると考えています。
Q : グループ事業の成果は?
A : コンテンツの収益化に向けた体制が整いつつあり、コンテンツの
保有・創出も着実に進んでいます。
り投資家の皆様へ
当社グループは、事業の柱にコンテンツのマルチユース展開を据えています。コン テンツの保有・創出については、優良IPに最先端クリエイティブ&テクノロジーを掛け 合わせて高付加価値化を図るというビジネススキームをすでに確立しており、現在は その先の収益機会の創出に向けて積極的な取り組みを行っています。一例としては、 パチンコ・パチスロ分野での強みを活かしつつ、コンテンツホルダーやコンテンツプロ バイダーとコラボレーションして様々なメディアに仕掛けていく施策を目指していま す。この取り組みはコンテンツの収益機会の拡大に資するとともに、IPそのものの価 値を高めていくものと考えています。
一方、基盤的な取り組みでは、引き続き未来の世の中の人々が求める余暇に関する 調査・研究を重ね、将来のコンテンツやメディアの方向性を加味した「感動」と「興奮」 を提供する商品やサービスの創造に向けて挑戦を続けていきます。こうした未来への 挑戦には、有力企業との協業やM&Aなどに付随した新たな投資が必要になってきま すが、常に投資効果の最大化を図り、その利益を株主の皆様に還元できるようまい進 していきます。
最後に、私たちは東日本大震災を経験し、その支援の過程を通じて多くのことを学 びました。なかでも、衣食住に加えて充実した余暇時間というものが人々の生活の大 事な基盤になっていることを肌で感じました。私たちは、その人々 のご期待に応え、 幸せや豊かさに寄与するエンタテインメントを創出していきたいと考えています。 私たちを取り巻くすべてのステークホルダーの皆様におかれましては、当社グルー プのさらなる成長にご期待頂きますとともに、長期的なご支援を賜りますよう、心よ りお願い申し上げます。
メディアミックス
コンテンツ 商品化
パチンコメーカー パチスロメーカー
最先端クリエイティブ& テクノロジー
[デジタル・フロンティア] 優良IP
Paper(雑誌・コミック)
CD・DVD(セル/レンタル) 新情報携帯端末
ゲーム機 携帯電話
映画 TV
グッズ ライブシアター
[ヒーローズ] [円谷プロダクション]
マンガ・書籍 アニメ 映画 TV・ドラマ ゲーム スポーツなど
広告プランナー
ゲームクリエイター 映像クリエイター
コピーライター 映像テクノロジー
放送作家/TVプランナー
全国のパチンコホール
ファン 商品企画
販売委託 販売企画
企画開発
音楽(アーティスト)
ビジネススキーム
Q : グループ事業の今後の方向性は?
A : 余暇時間に対して、人々 が 、生活の基盤として必要とする幸せや
豊かさといったものに寄与するエンタテインメントを創出したいと
考えています。
12
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000
07/3 4,000
2,000
2,000 4,500
2,000
2,000 2,500 4,500
2,000 4,500
2,500
2,000
5,000 5,000
2,500
2,000
08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 2,500
2,500
2012年3月期は、一時的ながら東日本大震災によるパチンコホールへの影響が懸 念されるとともに、一部遊技機メーカーの部材不足による生産・出荷時期のずれなど が発生しており、商品の投入時期を慎重に検討しなければなりません。しかし、パチ ンコ・パチスロ事業の商品ラインナップは充実しており、当期も高いゲーム性やエンタ テインメント性でファンの皆様から評価頂ける大型タイトルを複数本投入する予定で す。一方、グループ事業では、中長期的な成長を支えるIP戦略強化などの施策が進捗 しており、当社グループ全体の利益を底上げしていくものと期待しています。これら を勘案し、連結業績見通しは売上高1,000億円(前年同期比3.5%減)、営業利益140 億円(同6.6%増)、経常利益140億円(同2.3%増)、当期純利益80億円(同6.4%増) を見込んでいます。なお、中期経営計画については策定時に前提となった市場環境な どが大きく変化していますが、2012年3月期の営業利益目標170億円(中期経営計画 目標)への挑戦は引き続き行っていきたいと考えています。
当社グループは、短期的な視点にこだわりすぎて成長機会を逸することがないよ う、常に中長期的な仮説を立て、その検証を行いながら成長戦略を展開しています。 戦略の執行にあたっては、パートナー企業との取り組みや研究開発への投資が必要不 可欠であると考えていますが、財務戦略との2軸でバランス良く推進していきます。 株主の皆様への還元は、安定的かつ利益に応じた配当の実施を基本方針としてお り、企業の成長とともに長期的な増配を続けていきたいと考えています。2011年3月 期については、前 年 同 期 から500円 増 配して1株 当たり5,000円(連 結 配 当 性 向 22.1%)の配当を実施させて頂きました。また、2012年3月期の1株当たり配当金に ついても5,000円(連結配当性向20.8%)を計画していますが、これをもって十分とす るのではなく、様々な施策に果敢に挑戦し、その成果をもって株主の皆様により多く の利益還元を行うことを大きな目標としていきます。
私たちフィールズグループは「すべての人に最高の余暇を」という企業理念に想いを 寄せる集団です。世の中の人々が望むエンタテインメントがすでに失われたものであ れば再生し、今存在しないものであれば自ら創出することで、より多くの人々に感動 と興奮を提供していきます。
株主、投資家の皆様をはじめ、私たちを取り巻くすべてのステークホルダーの皆様 におかれましては、社会の幸せに努める当社グループにより一層のご期待を頂き、引 き続きご支援とご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
P06–09
q エンタテインメントの位置づけ q 2011年3月期の業績
q パチンコ・パチスロ市場の概況と パチンコ・パチスロ事業の成果 q 東日本大震災の影響 q パチンコ・パチスロ事業の強み
P10–12
q 国内のエンタテインメント市場の展望 q グループ事業の成果
q グループ事業の今後の方向性
P13
q 2012年3月期の取り組みと業績の見通し q 株主、投資家の皆様へ
(円)
1株当たり配当金
期末 第2四半期末 計画
記念配当 500
増配 500
Q : 2012 年3 月期の取り組みと業績の見通しは?
A : 過去最高収益を目標に、積極的な事業展開を実施します。
Q : 最後に株主、投資家の皆様へメッセージをお願いします。
A : 世の中の人々が望むエンタテインメントがすでに失われたものであ
れば再生し、今存在しないものであれば自ら創出することで、より
多くの人々に感動と興奮を提供していきます。
り投資家の皆様へ
特集: 東日本大震災の影響と復興
2011 年 3 月 11 日
2 0 1 1年 3 月11 日 、東日本一帯をマグニチュード9.0 の地震が襲った 。
被災地の死者・行方不明者は2 万人を超え、併発した国内最大規模の原発事故は電力不足をもたらした 。 パチンコホールも被災した 。遊技機関連の電子部品工場が操業を止めた 。
しかし、私たちは明日を信じてすべての力を復興に向けた 。 14
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
被災 状況
青森県 l1 7店舗
宮城県 l2 5店舗 l1 8 3店舗 福島県 l5店舗強 l1 6 0店舗強
東日本大震災概要 2011年3月11日 14:46 太平洋三陸沖を震源とする東日本大震災発生
l最大震度7 lマグニチュード9.0 14:49 気象庁が大津波警報を発令 l最大11.8メートル(推定) 15:00 福島第一原子力発電所に津波が到達
l津波の連鎖により電源喪失(原発事故発生) 19:03 政府が原子力緊急事態を宣言
l福島第一原子力発電所の近隣住人に退避指示
人的被害状況
(2011 年 9 月1 日、警察庁発表)
死者 1 5 , 7 5 7名
負傷者 5 , 9 2 7名
行方不明者 4 , 3 8 2名 パチンコホール被災状況
(4 月15 日、全日遊連発表)
千葉県 l1 0 8店舗 栃木県 l7店舗 l4 2店舗 茨城県 l1 0 6店舗
岩手県 l1 5店舗 l5 4店舗
l全壊 l半壊その他
* 福島県遊連は6 月末時点で休業店舗数が 32 店舗にのぼると発表。
被災したパチンコホールの店内(宮城県)
電子部品メーカーの被災状況
被災状況 その後
国内トップの半導体供給会社が操業停止 6月一部生産再開 世界トップのシリコンウェハー製造会社が被災 4月一部生産再開 セキュリティチップ製造会社が全面操業停止 6月以降順次再開
特集:東日本大震災の影響と復興
東日本大震災は福島第一及び第二原子力発電所の発電設 備に大きな被害をもたらした。3月13日、経済産業省は産業 界に電力使用の抑制を呼びかけるとともに、東京電力(株)は 電力需給が逼迫した管内で3月14日から計画停電(輪番停電) を実施すると発表した。
3 月15日、パチンコホール団体は代表者会議を開催
し、節電協力を含む7 項目について 、その遵守を全国
のパチンコホール経営者に要請する。
これを受け、全国のパチンコホールではネオンや屋
外広告塔などの終日消灯を実施する一方、東京電力
及び東北電力管内のパチンコホールでは店舗収益の
減少が想定される営業時間の短縮にも踏み切った。
被災地域では、全国の警察、消防、自衛隊、海上保安部が 避難誘導や救出救助、行方不明者の捜索、原子力災害への対 応、各種の交通対策、安全・安心の確保といった幅広い活動 を行った。なかでも、警察は岩手県警察、宮城県警察、福島県 警察に対して、全国から広域緊急援助隊員など延べ約38万人
(2011年6月20日現在)を派遣した。
被災地域及び計画停電実施地域のパチンコホール
は、団体合意に基づいて警察の許認可を必要とする遊
技機入替申請などを自粛した。あわせて、遊技機メー
カーに対しても販売延期を要請する。
一方、遊技機メーカー及び販売会社は、本要請に加
え各都道府県警察の遊技機入替に伴う業務負担を勘案
し、一定期間にわたり各社とも遊技機販売を延期した。
ご参考: パチンコホール団体合意事項(2011年3月15日付) 1. 全国のパチンコホールにおいて、ネオンや屋外広告塔などの終日消灯を3
月末日まで実施する。
2. 全国のパチンコホールにおいて、広告宣伝(テレビ、ラジオ、折込み広告、 メール配信など)を当分の間自粛する。
3. 東北電力、東京電力管内においては、当分の間、営業時間の短縮を要請す る。なお、その他の電力会社管内においては、各地区で対応を検討する。 4. 上記3項目について履行されないパチンコホールに対しては、パチンコホー
ル5団体連名で、改めて合意遵守を要請する。
5. 被災地及び計画停電実施地域においては、遊技機の入替申請などの各種申請 を当分の間自粛するとともに、メーカーに対して新台の販売延期を要請する。 6. 献血活動に積極的に参加する。
7. パチンコ・パチスロ業界を挙げて、被災地への義援金活動に取り組むことと する。
* 4月25日、パチンコホール団体は東京電力管内の需給バランスの改善を考慮して合意事項 の改定を行い、営業時間の短縮などを撤廃した。
ご参考: 2月–7月間の前年同期ホール稼動比較(当社調べ)
lパチンコ市場稼動推移
震災後の業界の歩み ∼ パチンコ・ パチスロ業界は社会に貢献する∼
1
24,000
22,000
20,000
18,000
16,000
2月 3月 4月 5月 6月 7月
新機種減少
東日本大震災 ゴールデンウイーク 輪番休業実施中
(個)
2010年 2011年 2011年 期間平均
16
FIELDS CORPORATION ANNUAL REPORT 2011
5月13日、経済産業省は夏季の電力需給対策として、東京 電力及び東北電力管内の企業や家庭に対して一律15%の電 力削減を要請した。期間は電力需給の逼迫を想定し、東京電 力管内を7月1日∼9月22日、東北電力管内を7月1日∼9月 9日と設定した。
パチンコホール団体は、電力削減要請に応える形で
東京電力管内のパチンコホールで月3 回の輪番休業、
東北電力管内のパチンコホールで月2回の輪番休業を
決定した。期間は両管内とも7月1日∼9月30日までの
3 ヵ月間を設定し、東京電力管内は25%以上、東北電
力管内は20%以上の電力削減を目標とした。
一方、遊技機メーカー や販売会社は自発的に節電
対策に踏み切っている。これに先駆け当社では自主的
な行動計画に基づき、空調関連、施設関連、OA機器関
連、クールビズ対応、従業員への啓蒙活動の5 項目を
着実に実行し、25%以上の電力削減を目指した。
(当社の節電対策の詳細については 、30ページの「CSRの主な取り組み」をご参照 下さい)
lパチスロ市場稼動推移
震災から約半年、パチンコ・パチスロ業界は 、震災から立ち直ろうとする社会と一体となって様々
な取り組みを推し進めてきた。現在、被災した部材メーカーは順次生産を再開し、製造ラインは震災
前のレベルに戻りつつある。そして被災地域では、娯楽を提供するためだけの場ではなく、地域のコ
ミュニティの場としてパチンコホールが営業を再開し、多くの人が集まり始めた。また 、市場全体で
は震災直後に低迷した稼動 * も、 5 月のゴールデンウィーク期間、そして 6 月以降は回復し、前年を上回
る推移を見せた。これが、日本の大衆娯楽「パチンコ」の力である。
* 「稼動」とは、遊技機1台当たりに投入された玉数及びメダル枚数を示したもので、終日稼動した場合、一般的にパチンコ遊技機が約65,000個、パチスロ遊技機が約24,000 枚とされている。
1 震災直後、営業時間短縮を告知する都内のパ チンコホール。
(2011年5月号「グリーンべると」) 2 被災地域で営業を再開したパチンコホール。地
域のコミュニティの場として多くの人が集う。
(2011年7月20日「朝日新聞朝刊」)
「エコホール宣言」 キャンペーンポスター 2
12,000
10,000
8,000
2月 3月 4月 5月 6月 7月
東日本大震災 ゴールデンウイーク 輪番休業実施中
(枚)
2010年 2011年 2011年 期間平均
特集:東日本大震災の影響と復興
復興支援
20兆円超と推計される復旧・復興費に対して、日本政府は 約6兆円の補正予算を成立させた。また、日本赤十字社や中 央共同募金会には、全国の個人や企業から総額3,000億円以 上の義援金が寄せられた。
3 月16日、パチンコ・パチスロ業界14 団体で構成さ
れるパチンコ・パチスロ産業21 世紀会は 、パチンコ
ホール団体で10 億円以上、遊技機関連団体で10 億円
以上を義援金として拠出する方針を打ち出し、6月に把
握された業界全体の義援金総額は44億円を上回った。
また、個別企業としても大手遊技機メーカーやパチ
ンコホールが数億円単位で日本赤十字社や中央共同募
金会に寄付を行った。
「ウルトラマン基金」では、物心両面からの支援に加え、
皆様からご協力頂いた基金を子供たちに役立てて頂くた
め、宮城県、福島県、岩手県の3県に寄付を実施した。
東日本大震災は 、日本経済に大きな影響をもたらした。損壊した設備や道路などの直接的な被害
額は 16 ∼ 25 兆円と試算され、復旧・復興には数十年単位の時間が必要と推計されている。
しかし、日本社会はこの未曾有の危機を乗り越えるため、着実に、そして力強く動き出している。同
時にパチンコ・パチスロ業界も、社会の豊かさを担うエンタテインメント産業として、復興への一歩を踏
み出した。
3月14日、震災から3日目を迎えた被災地域では避難者数 が55万人を超え、食料や飲料水不足が深刻化した。加えて、全 国から寄せられた緊急救援物資は、物流機能の混乱から被災 者への供給が滞った。
被災地域のパチンコホールでは、救援物資が届かな
い現状を勘案し、震災直後から自ら物資を調達して避難
所で炊き出しや飲料水を提供するとともに、避難所と
して施設を開放するなど自発的な活動を推し進めた。
当社グループでは、新しい未来を切り開く子供たち
への支援を継続的に実施するため「ウルトラマン基金」
を設立し、被災地域の支援訪問に乗り出した。なかで
も 、被災直後に訪問した宮城県では 、救援物資の支
援や8,800 食の炊き出しのみならずウルトラヒーロー
ショーの実施など、物心両面からの支援活動を行った。
3
7
4
6 3 宮城県石巻市で遊技機関連団体
が炊き出しをはじめとする様々 な催しを実施。
4 遊技機関連団体は、被災者のス トレス解消や疲労回復を目的に シャワーコンテナを避難所に配備。
6 宮城県気仙沼市で、炊き出しを 行う「ウルトラマン基金」。当社従 業員もボランティアとして参加。 7 宮城県気仙沼市で、「ウルトラマン
基金」がウルトラヒーローショーを 開催、子供たちにエールを贈る。 5 当社グループが被災地域の支援
に向けて、震災直後に設立した
「ウルトラマン基金」。
(「ウルトラマン基金」の活動詳細については、31ページの「CSRの主な取り組み」及びWebサイト(http://www.ultraman-kikin.jp/)をご参照下さい)
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